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沿革

温度差エネルギー分野 (1973~)


(1)OTEC研究の萌芽期(1973年4月~1982年3月)※下線部に詳細情報
 海洋温度差発電の可能性を理論的・実験的研究によって明らかにした。特に、サイクル、作動流体及び熱交換器などに関して最適なものを検討し、これらを組み合わせた実験的研究を行った。実験は1Wの「不知火1号」から1.9kWの「不知火5号」まで5種類について行った。1981年4月には、50kWパイロットプラントを完成させた。このような結果から、海洋温度差発電では、ランキンサイクルを用いたクローズド式海洋温度差発電システムが最も適していることを明らかにし、世界的にも重要なデータを取得公表し、海洋温度差発電の可能性を理論的及び実験的に示した。 なお、1980年3月には、日本で初めての「海洋温度差実験所」を伊万里市に建設した。
(→佐賀大学実験プラントの資料)

(2)OTEC研究の成長期(1982年4月~1992年4月)
 ランキンサイクルを用いたクローズド海洋温度差発電システムに関して、世界で最も高性能なシステムを開発(米国エネルギー省評価)。
 クローズド式海洋温度差発電システムに関しては、世界で最大規模の75kWパイロットプラントを新設し、貴重なデーターを取得できた。このプラントは、佐賀大学方式とよばれ、世界で最も高性能なシステムと、米国エネルギー省(DOE)が評価している。当施設では、この佐賀大学方式を国有特許として国内、米国及び欧州(EPU)に申請し特許を取得している。

(3)OTEC研究の発展期(1992年4月~現在)
 従来のランキンサイクルより飛躍的に発電プラントの熱効率が高くなる新しい発電システムについて研究を開始。より一層の海洋温度差発電の高効率化が期待されている。
アンモニアなどの純物質を用いたランキンサイクルについて研究を行なってきた。1985年カリーナ博士がアンモニアと水の混合物質を用いることにより飛躍的に熱効率が高くなる、いわゆるカリーナサイクル を発明した。
 当施設は、1991年いち早くこのカリーナサイクルに注目し研究を開始した。佐賀大学の理論的研究で、カリーナサイクルの可能性が明らかになり、佐賀大学では、世界初のカリーナサイクルを用いた海洋温度差発電の実験装置を特別設備「海洋温度差発電新システム」として1994年3月に新設した。
 カリーナサイクルに関する理論的研究及び特別設備の新設に基づいて、カリーナサイクルの優位点と共に課題が明らかになった。これらの課題を解決すべく当 施設では、佐賀大学方式の新しいサイクルを発明した。この発明は、国有特許として日本国内はもとより米国及び欧州に出願し特許取得した。そこで、このサイクルを実験的に立証するために特別設備「海洋温度差発電新システム」として1996年3月に増設した。1994年3月国際海洋温度差発電会議(英国)で佐賀大学方式発表。各研究者から注目され、それ以来この佐賀大学方式を「上原サイクル [仕様]」と呼ばれるようになった。1997年5月国際海洋温度差発電会議(シンガポール)で「上原サイクル」の実験成果発表、インド、韓国、フィリピン、スリランカ等より研究支援、共同研究、共同プロジェクトの依頼が急増している。
 1997年9月30日「インドにおけるOTEC共同開発と実証における佐賀大学とインド国立海洋技術研究所間の協力協定の覚書」が調印され、3年間の研究開発計画に基づいてOTECの実証に向けた研究が開始された。
 1999年3月これまでの海洋温度差発電で培ってきた技術を温泉水発電に適用した実証試験装置「ウエハラサイクル実証温度差発電システム」を新設した。
 温泉が豊富な日本国内に留まらず、環境にやさしいエネルギー源としての地熱水、温泉水への適用が期待されている。
 2003年3月新伊万里サテライトに「30kW 海洋温度差発電基礎実験装置」が設置され、実証に向けた実験が加速する。


otec30kw.jpg
(30kW OTEC実験装置)

 2004年3月 プレート式熱交換器基礎実験装置が完成。アンモニアを用いたプレート式蒸発器、凝縮器の沸騰凝縮熱伝達の測定と可視化により、OTEC熱交換器の基礎データを取得を行う。

PHE実験装置
(プレート式熱交換器基礎実験装置 左: 蒸発器、右:凝縮器)